もの忘れ(認知症外来)・不眠外来

認知症の診断に脳画像検査が役立ちます。

認知症の原因となる病気を診断するためには、患者さんご本人の診察に加え、患者さんの日常生活をよく知るご家族のお話を伺うことがとても大切になります。
さらに、頭部CTスキャン、MRIといった脳の形をみる検査や、脳SPECTなどの脳の働きをみる検査によって、診断のための重要な手がかりを得ることができます。

認知症の診断の流れ

  • 1

    ご家族・周囲の方々からの情報収集

  • 2

    患者さんの診察・問診

  • 3

    脳の働きをみる簡単なテスト(神経心理検査)

  • 4

    脳画像検査

    • 脳の形をみる検査(CTスキャン、MRI)
    • 脳の働きをみる検査(SPECTなど)
  • 5

    認知症の原因となっている病気の診断・ご家族への説明

認知症かな?と思っても治る病気の場合があります。

認知症と似ている症状がみられるものの、適切な治療によって回復可能な病気もあります。その代表的な病気は、慢性硬膜下血腫や脳腫瘍、正常圧水頭症などです。
こうした病気を早く見つけて早く治療するためにも、認知症が疑われる症状に気づいたら、早めに受診することが大切です。

認知症と似た症状がみられても、回復可能な主な病気

脳外科の病気

  • 慢性硬膜下血腫
    頭蓋骨と脳の間に出血が生じます。
  • 脳腫瘍
  • 正常圧水頭症
    髄液と呼ばれる液体が、脳の中心にある脳室にたまり、まわりの脳を圧迫します。

内科の病気

  • 甲状腺機能低下症
    甲状腺ホルモンの低下により、活動が低下したり、思考が緩慢になります。
  • 栄養障害、飲酒
  • 慢性閉塞性肺疾患
    気道がふさがり、低酸素または高二酸化炭素状態になることで、認知症に似た症状があらわれます。
  • 糖尿病
  • 薬剤による副作用

精神科の病気

  • うつ病・抑うつ状態
    しばしば認知症と混同されます。

当院から、埼玉石心会病院、入間川病院、狭山中央病院のオープン検査でCT、MRI、脳血流SPECT、ドパミントランスポーターシンチグラフィ(DatScan)などの脳画像の精密検査の申し込みができます。

脳血流SPECT検査の手順

  • 1

    検査に必要な放射性医薬品を静脈注射します。

  • 2

    装置のベッドに仰向けに寝ます。頭の周りをカメラが回ったり、トンネルのようなカメラの中に頭を入れたりして撮影します。20〜30分で終わります。

  • 3

    脳の血流分布の画像が作成されます。

認知症の原因と脳血流SPECT検査について
監修:東京医科大学 高齢総合医学分野 主任教授 清水 聰一郎先生

脳血流SPECT検査の目的とMRI/CT検査との違い

脳血流SPECT検査

脳の血流分布の異常を調べます。
認知症の原因で血流異常(低下)部位が異なります。

MRIやCT検査

脳出血や脳梗塞(血管障害)、脳の萎縮、脳腫瘍などを調べます。


症状、血液検査、認知機能を調べる検査、MRIやCT検査、脳血流SPECT検査などの結果を参考認知症の識別診断を行います。


認知症の原因と脳血流SPECT検査について
監修:東京医科大学 高齢総合医学分野 主任教授 清水 聰一郎先生   症例提供:東京医科大学 高齢総合医学分野

ドパミントランスポーターシンチグラフィについて

MRI検査の画像

MRI検査の画像(正常、レビー小体型認知症)

同じ時期のSPECT検査の画像

同じ時期のSPECT検査の画像(正常、レビー小体型認知症)

医師の診断により、必要に応じて他の検査が追加される場合があります。

ドパミントランスポーターシンチグラフィ検査を受ける際の注意事項

  • 検査の予約日時を守ってください。
  • 検査前の制限は特にありません。
  • 妊娠中・授乳中の方は申し出てください。
  • アルコールに過敏な方、その他過敏症の既往歴のある方は申し出てください。
  • 何らかの治療薬を服用中の方は申し出てください。

画像提供:横浜新都市脳神経外科病院
監修:神奈川歯科大学附属病院 認知症・高齢者総合内科 眞鍋 雄太 先生
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